2019.07.10 13:47ロンドンからの帰国このたび、7月の4日から8日にかけてロンドンで行われた、ギリシア・ローマ学の大規模な国際学会(詳しくは2019.6.25の記事を参照されたい)に参加してきたが、今日、無事に日本に帰ってきた。たいへん充実した時間を過ごすことができて、いま、とても晴れやかな気持ちだ。感想は山ほどあるので、明日以降、このブログで複数回に分けて記事にしていきたいと思っている。取り上げたいトピックの選定をしてみたところ、どうやら一週間分くらいにはなりそうなので、ご興味のある方々には、このシリーズを楽しんでいただけると幸いである。
2019.05.02 07:27春の古書大即売会今日は、京都市勧業館(みやこめっせ)で開催中の、「春の古書大即売会」に行ってきた(詳細については下のリンクを参照)。京都に住むようになっておよそ10年が経つが、このイベントには毎年足を運ぶことにしている。開催時期はいつもゴールデンウィークで、今日も、会場は多くの人たちで賑わっていた。 何冊か本を購入したが、とくに嬉しかったのは、J・L・ウェストン『祭祀からロマンスへ』(丸小哲雄訳、叢書・ウニベルシタス、1981年)の、優れた状態のもの(カバー・帯付きの初版で書き込み等なし)が手に入ったことだ。1920年に出版された原著(タイトルはFrom Ritual to Romance)は、アーサー王物語の一部をなす「聖杯伝説」にかんする壮大なテーゼを示したことで...
2019.04.14 09:47パスポート入手今日は、京都駅ビルの旅券事務所へ赴き、一週間ほど前に申請の処理を済ませたパスポートを受け取った。これは僕にとって2冊目のパスポートで、もともと所有していた(そして有効期間が切れてしまっていた)のは「5年間有効」の紺色のもので、今回のは、「10年間有効」の赤色のものだ。 なぜこのタイミングでパスポートを手に入れたのかというと、今年の7月にロンドンで開催される、西洋古典学関連の大きな学会に出席するからだ(詳細については、また別の記事で書くつもりである)。僕は、それほど海外に出たことはない(時間とお金があれば、何度でも行きたいのだが!)が、ロンドンへ行くのは初めてではない。学生の頃、一定期間、客員研究員の身分でオックスフォード大学に滞在した経験があり、そのと...
2019.03.28 10:53蔵書の整理数日前から神奈川の実家で過ごしているが、今日は、かなりの時間をかけて、蔵書の整理をした。僕の部屋は、長らく「書庫」となってしまっていて、文字通り「足の踏み場もなかった」ので、大規模な整頓作業が必要だったわけだ。諸悪の根源は、(普段過ごしている)京都から、ひとまず不要な本を後先考えずにこちらに送り続けていたことにある。ここ数年、大掃除の時間をつくることができていなかったので、部屋は、京都から届けられた段ボール箱でいっぱいになっていたのだ。 僕自身、どの箱にどの本が入っているか皆目わからない状態だったので、今日の主たる作業は、箱から出した本をジャンルごと(たとえば「文学」「思想・哲学」「文化史」「言語」など)に分ける、というものだった。図書館司書になった気...
2019.03.27 11:38神保町での古本屋めぐり今日は、「日本一の古本屋街」として知られる、神田の神保町へ行ってきた。学生(より正確には、学部生)のときに足繁く通っていたため、たくさんの思い出がある場所だ。今日の訪問はそのとき以来のことなので、約10年ぶり(!)ということだった。 JR中央線の御茶ノ水駅を下りたときの景色は、当時とまったく同じで、ほんとうに懐かしい気分だった。歩きだして、周囲を見回してみても、景色は学生時代に見たものとほとんど同じで、さまざまな記憶が蘇ってきた。今回の目的はもちろん本探しだったわけだが、あまりの心地よさ(ついでにいうと、好天にも恵まれた)に、「本を一冊も買わなくても、今日のこの経験は素晴らしいものだ」と思ったくらいだ。 ただ、実際のところは、手ぶらで帰ってきたわけでは...
2019.03.26 14:17帰省この一週間ほど、関西での仕事が何もないので、神奈川の実家に帰ってきた。大学の新学期が始まる前に、気分をリフレッシュさせることができそうだが、じつは、のんびりしてばかりもいられない。こちらで済ますべきことは、大きく3つある。 一つ目は、もはや「書庫」となってしまった自分の部屋をきれいにすること。関西の家に置ききれなくなった本を(キャパシティのことを考えずに)こちらに送り続けてきたので、大量の本がそこらじゅうに積み重ねられているのだ。整理は大変そうだが、これもひとつの「知的活動」と考えて、楽しみたいと思う。 二つ目は、神田の神保町に足を運んで、古本屋めぐりをすること。普段住んでいる京都にも、古本屋はたくさんあるのだが、やはり神保町の規模にはかなわないと思っ...
2019.03.23 11:42ポータブルDVDプレイヤーの購入大学の授業やカルチャーセンターの講座で、映画や演劇のDVD(内容はもっぱらギリシア神話関連のもの)をよく使う。「使う」というのは、もう少し具体的にいうと、「時間のことを計算に入れたうえで、自身の授業内・講座内の解説とリンクしている場面だけを見せる」ということである。つまり何をいいたいのかといえば、DVDを「使う」ときには、毎回かなり入念に準備をしておかなければならないのだ。行き当たりばったりで特定の部分を見せたとしても、まず時間が中途半端になるのは間違いなく、内容についても、こちらの話と無関係な場面だとしたら、見ている側は混乱するだけである。このような事態を防ぐためには、事前に何度も―それこそ演者の所作や台詞を暗記してしまうくらいまで―DVDを見ておく...
2019.03.16 09:38大学の卒業式のシーズンこのところ、外を歩いていると、きれいな袴を着た女子学生の集団を見かけることが多くなってきた。いま、大学では卒業式のシーズンなのだ。今日も散歩中にそのような学生に出会ったが、どうやら僕の自宅近くの大学で卒業式があったようだ。 そういった学生たちの顔は、とうぜん笑顔である。僕も普段大学の教員をやっているので、明るい表情で友人や親族と会話をしている卒業生をみると、たとえ顔も名前も知らない(大半はこのケースだ)としても、嬉しくなってしまう。自分のことを思い出すとよくわかるが、大学を卒業するためには、かなりの努力が必要なのだ。4年という期間のなかで、授業に出席し、テストのために勉強し、レポートを書き、ゼミで発表し、卒業論文を提出しなければならない。卒業式の日、新...
2019.02.15 14:20出身研究室の予餞会今日は、出身研究室の予餞会に参加してきた。籍がはずれて(学生でなくなって)もう数年が経つが、この会にだけは毎年必ず顔を出すようにしている。予餞会は、文字通りの意味では「予め餞別をおくる会」であるが、僕にとっては、「同窓会」のようなもので、先輩方、そして後輩たちと楽しく交流をさせてもらうのが目的だ。学生時代、非常にお世話になった分(そしてご迷惑をおかけした分)、「帰ってきました、ただいま」という気持ちでいつも参加させてもらっている。 気障な言い方をすれば、いまは「独立」をして、「フリーランス」で教師をやっているわけだが、これは常に孤独であることも意味する。研究室に所属していた頃は、情報のやりとり(学問にかんすることでも、そうでないことでも)がいつでもでき...
2019.02.09 14:27「哲学の道」での気分転換僕は京都に住んでいるが、仕事が休みの土日に、この土地のいわゆる「観光スポット」に足を運ぶことがある。ただ、もちろん観光を目的とするわけではなく(もう何年も住んでいるので、有名な寺社仏閣にいまさら感動などしない)、頭をリフレッシュさせるためにそういった場所に赴くのだ。僕の場合、午前中から本を読んだりキーボードを叩いたりしていると、ちょうど「おやつの時間」くらいに頭が動かなくなり、外出したい気分になってくる。要するに気分転換ということだが、そのためには、のんびりと楽しそうに時間を過ごしている人が数多くいる「観光スポット」はちょうど良いのだ。 そういったスポットのなかでも、とくに僕が気に入っているのは、「哲学の道」だ。ここは、たいてい、人の数が多すぎも少なす...
2019.02.07 14:51「ジェネレーション・ギャップ」の有効利用今日は、この一年間非常勤講師としてお世話になった、大阪大学の某研究室の納会に参加させてもらった。「納会」といっても堅苦しいものではなく、学生たちおよび関係の先生方と一緒においしいご飯を食べただけで、とても楽しい時間を過ごさせてもらった。 参加していた学生たちとは、もちろん授業内で顔を合わせていたのだが、今日はそのときよりも近い距離で、学問に関係する話もそうでない話も数多くすることができた。大学教員という職業についてよかったと思えるのは、やはり、このように自分よりも若い世代の人たちと接する機会をもてることだ。「ジェネレーション・ギャップ」は、通常はネガティブな文脈で使われるが、大学教員としての僕は、これをポジティブな意味で使いたいと思っている。「ギャップ...
2019.01.26 11:06定期試験期間中の大学図書館ちょうどいま、多くの大学は定期試験期間中だと思うが、僕がずっとお世話になっている京都大学も例外ではない。この時期の大きな特徴は、図書館が試験・レポートに追われる学生でいっぱいになることだ。これは毎年のことなので、もはや学生でなくなってしまった僕は、この時期に図書館を利用するのはなるべく控えるようにしている。僕がいることで、学生の貴重な座席を一つ奪ってしまうことになるからだ。 ただ今日の場合は、申し訳ないと思いつつも、例外的に長時間使わせてもらった。というのも、僕の住んでいる京都で久しぶりに雪が降り、エアコンありでも自宅がとても寒く、大学図書館の強力な暖房が恋しくなってしまったからだ。行ってみると、当然のごとく、空きスペースはあまりなかったが、なんとか座...