「現代神話学」のレポートの採点

今年度の後期、某大学で「現代神話学」の講義を行った。内容は、一言でいえば、19世紀および20世紀における神話学の学説史で、各回(ただしイントロダクション的な性格をもつ第1回と第2回は除く)、一人の学者を取り上げ、その人物の学説を紹介するというかたちで、話を進めていった。参加学生には(成績評価のために)レポートの提出を求めたのだが、今日の時点でそのうちの三分の一ほどの採点を終わらせた。

 レポート課題は、大雑把にいえば、「講義中で取り上げられた学者のうち一人を選び、その人物の学説について論じなさい」としたのだが、採点側として一番興味深く思っているのは、学生たちがどの学者をレポートの考察対象に選んだのか、ということである。いわば「人気投票」みたいなもので、すべてを見ているこちらとしては、たとえば、「デュメジルは上位」「レヴィ=ストロースは真ん中くらい」「フレイザーは下位」といったことがわかるわけだ。講義では、それぞれの学者について等しく長所と短所を挙げ、なるべく全員のイメージが均一になるよう解説したので、学生たちは選択に苦労したかもしれない(レポート内に「その学者を選んだ理由」を簡単に書いてもらってもよかったかなと、今少しだけ後悔している)。

 採点が終わっていないレポートはまだたくさんある。引き続き学生たちの興味のありかを探りながら作業を進めていきたい。

つねに多くのことを学びつつ年をとる―勝又泰洋の学問日記―

このサイトでは、学者の卵である私、勝又泰洋が、日々の勉強・研究について(もっぱら自身の備忘のために)簡単な文章をものしています。サイト名の「つねに多くのことを学びつつ年をとる」は、古代ギリシアの政治家ソローンによる詩の一節です。これを座右の銘として、毎日マイペースに学問に励んでいます。

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