今年度前期の金曜日に担当している「西洋古典文化論」の講義では、ソポクレースの『オイディプース王』と『アンティゴネー』についてさまざまな話をさせてもらっている(ちなみに今日はヘーゲルの『アンティゴネー』論の紹介をした)。
ここ数回で嬉しく思っているのは、「この授業を受けて、じっさいに演劇を観にいってみたいと思うようになった」というコメントを何人かの学生からもらっているということだ。なかにはそれを実現させた学生もいるようで、ギリシア悲劇ではないが、6月頭に大阪で上演された、岡田将生さん主演の《ハムレット》を観にいったとのことだ。少し大げさかもしれないが、「教師冥利に尽きる」という言葉は、こういうときに使いたくなる。
ちょうどいま、新国立劇場で、生田斗真さん主演の《オレステイア》が上演されている。関西公演があれば、学生たちに宣伝したのだが、これはどうやら東京のみらしい。いっぽうで、数日前、《グリークス》の公演が11月に京都で行われるという情報を入手した。この長大な作品については、僕は、およそ20年前の蜷川幸雄演出のバージョンを知っていて(いまでもDVDで観ることができる)、今回の新たなバージョン(演出は杉原邦生)は本当に楽しみだ。京都で観られるということで、もちろん学生たちには関連の情報を提供するつもりだ。
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