神戸新聞文化センター三宮にて、私が月一で担当している「ギリシア神話の世界」の次回の案内です。日時は、2019年7月29日(月)10:30~12:00です(通常は第二月曜ですが、今月は第五月曜となっておりますので、ご注意ください)。プルータルコス『英雄伝』に描かれる、プーブリコラという男についてお話しします。この人物は、「ルクレーティア事件」(ローマ第七代の王タルクィニウス・スペルブスの息子が、ルクレーティアという女性に乱暴を働き、この女性を自殺に追いやった事件)がきっかけとなって成立した、ローマ共和政の最初期の偉人です。「プーブリコラ」というのは、「民衆の世話をする人」を意味し、彼が、民衆から高い人気を得ていたことを端的にあらわしている呼び名です。彼は、「共和政におけるリーダー」ともいえる執政官に複数回選出されましたが、けっして傲慢になることはなく、いわば「民衆目線」で行動することができる政治家でした。
ちなみに下の絵は、「ルクレーティア事件」を描いたものとして有名な、ティツィアーノによる《タルクィニウスとルクレーティア》(1571年、フィッツウィリアム美術館)です。プーブリコラとは真逆の、暴虐な王族を象徴した作品といえるでしょう。
以上の内容にご興味のある方は、ぜひお申し込みのうえ、ご参加ください。
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