ギリシア神話における女性キャラクターにかんする特別講座

このたび、朝日カルチャーセンター中之島教室にて、「ギリシア神話の女性たち」と題した一日講座を開かせていただくこととなりました。日時は、2019年9月16日(月)15:30~17:00です。ギリシア神話のなかでも最大級の規模を誇る、トロイアー戦争をめぐる物語について概説することを主眼としますが、その際、この物語に登場する女性キャラクターにとくに注目しながら話を進めていきたいと思います。

 「戦争」というと、男性の活躍を想像してしまいがちですが、じつは、トロイアー戦争の物語にかんしては、男性のみならず、女性にもスポットライトが当てられるのです。たとえば、この戦争は、そもそも、ヘレネーという「女性」の所有権をめぐって、ギリシア軍とトロイアー軍が争っています。また、英雄オデュッセウス(いわゆる「トロイの木馬」作戦の発案者)の故国帰還のエピソードをめぐっては、彼の伴侶であるペーネロペイアという「女性」の行動がきわめて重要なものとして提示されています。下に載せているのは、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの《ペーネロペイアと求婚者たち》(1912年、アバディーン美術館)ですが、ここで描かれているのは、自身と夫の関係を破壊しようとする邪な求婚者たちに反撃すべく、ある策略に精を出すペーネロペイアです。彼女の行動は、オデュッセウスのそれと同程度に魅力あるものなのです。

 当日は、このほかにも多数の女性キャラクターを紹介します。物語の原典である古代の文献のみならず、関連する近現代の絵画作品にも多数言及する予定です。ご興味のある方は、ぜひご参加ください(お申し込みについては、下のリンクをご覧ください)。

つねに多くのことを学びつつ年をとる―勝又泰洋の学問日記―

このサイトでは、学者の卵である私、勝又泰洋が、日々の勉強・研究について(もっぱら自身の備忘のために)簡単な文章をものしています。サイト名の「つねに多くのことを学びつつ年をとる」は、古代ギリシアの政治家ソローンによる詩の一節です。これを座右の銘として、毎日マイペースに学問に励んでいます。

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