冬の一限のラテン語

大学でラテン語文法を教えている(今日もその授業だった)。コマは一限(8時45分開始)なので、学生にとっては出席がなかなか大変だと思う。しかもこれが冬の寒い時期となると、大変さは増すはずだ。実際、ここ数回は、開始ギリギリに教室に入ってくる学生が増えている。布団が恋しくても、なんとか自分に鞭を打って家を出てくるのだろう。僕は朝は強いほうだが、寒いのはたいへん苦手なので、学生たちの気持ちはよくわかる。

 そういった学生たちに担当教師として出来ることは、「学び・気づきのあるものだった」と彼らに思ってもらえる授業をすることだろう。いまは接続法をやっているが、解説の際は、教科書には(はっきりとは)書いていない、接続法の原理を伝えようと努力している。僕がとくに興味をもっている文法項目でもあるので、「朝一で面白い話が聞けた」と思う学生が少しでもいれば嬉しい。

 それにしても、冬の朝の8時45分からラテン語を勉強している学生が、全国にどれだけいるだろうか。そう多くはないはずだ。僕の授業に出てくれている学生は、胸を張っていいと思う。ひどい寒さと戦いながら、ローマ人の偉大な古典を読むための準備を進めているのだから。

 

つねに多くのことを学びつつ年をとる―勝又泰洋の学問日記―

このサイトでは、学者の卵である私、勝又泰洋が、日々の勉強・研究について(もっぱら自身の備忘のために)簡単な文章をものしています。サイト名の「つねに多くのことを学びつつ年をとる」は、古代ギリシアの政治家ソローンによる詩の一節です。これを座右の銘として、毎日マイペースに学問に励んでいます。

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