ラテン語の試験の採点

一昨日、仕事先の大学のひとつでラテン語の定期試験を行い、いまその採点を進めている。

 出題は、毎回実施してきた小テストからのみで、応用問題は一切なし、ということにしたので、おおむねよくできている。素晴らしいことではあるが、心の底から喜んでいるわけではない。というのも、この「よくできている」というのは、あくまで「最終得点が高い」という意味で、減点箇所に大きな問題があるケースも多いからだ。名詞変化を書く問題で、単数の属格形を間違えてしまっているのがその良い例だ。この間違いは、マイナス1点なので、最終得点への影響は甚だ小さいのだが、内容の観点からいえば、看過できるものではない。ラテン語の名詞変化において、単数の属格形はいわば「幹」のようなもので、これをわからないままで済ませてしまっているというのは、格変化の根本的な仕組みがわかっていないことを意味するからだ。一年間勉強してきたにもかかわらず、これはまずい。来週のフィードバックの授業のときに、しっかりと解説をしなければならない。

 ただもちろん、この類の深刻な間違いについては、僕にも大きな責任があり、説明が不十分だったと反省している。来年度また同じ授業を行うので、そのときには今回の失敗が無駄にならないよう、教え方を工夫しようと思っている。

つねに多くのことを学びつつ年をとる―勝又泰洋の学問日記―

このサイトでは、学者の卵である私、勝又泰洋が、日々の勉強・研究について(もっぱら自身の備忘のために)簡単な文章をものしています。サイト名の「つねに多くのことを学びつつ年をとる」は、古代ギリシアの政治家ソローンによる詩の一節です。これを座右の銘として、毎日マイペースに学問に励んでいます。

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