2019/8/19の「ギリシア神話の世界」

神戸新聞文化センター三宮にて、私が月一で担当している「ギリシア神話の世界」の次回の案内です。日時は、2019年8月19日(月)10:30~12:00です(通常は第二月曜ですが、今月は第三月曜となっておりますので、ご注意ください)。プルータルコス『英雄伝』に描かれる、コリオラーヌスという男についてお話しします。この人物は、ローマの貴族の一員として、国のために立派な活躍を続けていましたが、その極端なまでの傲慢さが仇となり、平民によって国外へ追放させられてしまいます。かかる仕打ちに憤慨した彼は、あろうことか、祖国ローマを武力でうち滅ぼそうとしますが、この試みは、彼の母親によって中断させられることになります。ここで描かれる母子のやりとりが、「コリオラーヌス物語」の一番の見どころといえるでしょう。

 この人物については、シェイクスピアの劇作品のひとつである《コリオレイナス》をつうじてご存じの方が多いかもしれませんが、じつはこの作品は、プルータルコスの『英雄伝』の記述を下敷きにしてつくられたものです(シェイクスピアは『英雄伝』の愛読者でした)。この悲劇作品は、演出家の蜷川幸雄によって、日本でも2007年に舞台化され(彩の国さいたま芸術劇場)、コリオレイナス役を唐沢寿明が、母親ヴォラムニア役を白石加代子がつとめました。今回の講座では、この舞台作品の一部をDVD版で鑑賞するつもりです(下に載せた画像は、Blu-ray版のパッケージです)。

 以上の内容にご興味のある方は、ぜひお申し込みのうえ、ご参加ください。

つねに多くのことを学びつつ年をとる―勝又泰洋の学問日記―

このサイトでは、学者の卵である私、勝又泰洋が、日々の勉強・研究について(もっぱら自身の備忘のために)簡単な文章をものしています。サイト名の「つねに多くのことを学びつつ年をとる」は、古代ギリシアの政治家ソローンによる詩の一節です。これを座右の銘として、毎日マイペースに学問に励んでいます。

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