2018.12.19 13:02冬の一限のラテン語大学でラテン語文法を教えている(今日もその授業だった)。コマは一限(8時45分開始)なので、学生にとっては出席がなかなか大変だと思う。しかもこれが冬の寒い時期となると、大変さは増すはずだ。実際、ここ数回は、開始ギリギリに教室に入ってくる学生が増えている。布団が恋しくても、なんとか自分に鞭を打って家を出てくるのだろう。僕は朝は強いほうだが、寒いのはたいへん苦手なので、学生たちの気持ちはよくわかる。 そういった学生たちに担当教師として出来ることは、「学び・気づきのあるものだった」と彼らに思ってもらえる授業をすることだろう。いまは接続法をやっているが、解説の際は、教科書には(はっきりとは)書いていない、接続法の原理を伝えようと努力している。僕がとくに興味をも...
2018.12.18 11:46英文学の問題を参考に、西洋古典学について考える舟川一彦『英文科の教養と無秩序―人文的知性の過去・現在・(未来?)』(英宝社、2012年)という本をときたま読み返す。学部生時代にお世話になった先生が書いた本だから、というのも理由のひとつだが、いちばん大きな理由は、舟川先生(と呼ばせてもらう)の関心事が、僕のそれと基本的に同じであるからだ。この本の「まえがき」にある先生の言葉を借りれば、その関心事とは、「人文的分野の研究・教育に携わる人間が自らの職務と存在意義をどう定義するかという問題」(p. i)である。 英文学(先生の専門分野)の意義について論じるにあたり、このディシプリンの成立・発展の事情を歴史的にたどってみる、という点が、この本の最大の魅力である。中心にあるのは、簡単に言えば、「(歴史的に)そ...
2018.12.17 11:452018/12/24の「ギリシア神話入門」朝日カルチャーセンター中之島教室にて、私が毎月第四月曜に担当している「ギリシア神話入門」の次回の案内です。日時は、2018年12月24日(月)15:30~17:00です。ウェルギリウス『アエネーイス』の後半の内容を紹介します。後半の始まりに置かれた、いわゆる「第二序歌」(第7歌37~44行)には、「より大きな仕事にわたし[=詩人]は取りかかる」(岡・高橋訳)という言葉が見えます。この「より大きな仕事」(maius opus)は、後半の物語が前半のそれよりもさらに重要であることを意味しているように思われます。具体的な中身が気になる方は、ぜひお申し込みのうえ、ご参加ください。
2018.12.15 17:10つねに自分自身を客観視すること学部生の頃に、阿部謹也の本を読んでいて、たいへん面白い記述に出会った。彼は、どんなときでも、自分の主観的視点に加えて、自分自身を外側から監視する、客観的視点を保持して生活するようにしていたという(これは僕のパラフレーズで、正確な文言ではないが、だいたい以上のような趣旨のことが書かれていたと思う)。「私」の視点と同時に、自身を「君」ととらえる視点ももっていたということだ。 サッカーの中田英寿も、自分目線のカメラ、それとフィールド全体を見渡す観客目線カメラを同時に作動させる特殊能力をもっていたという。自分、味方プレイヤー、相手プレイヤーがフィールドのどこにいるかが(観客のごとく)つねに把握できているため、いつでも的確なプレーを選択することができたらしい。偉...
2018.12.14 15:17サイトを開設しました!以前から、自分の学問についてのんびりと語るための場をつくりたいと考えていました。それを今日、ほとんど勢いまかせで始めることにしました。半ば独り言のような記事を書いていくことになりそうですが、多くの方にお読みいただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。