2019.07.29 01:522019/8/5の「知るほどおもしろギリシア神話」NHK文化センター梅田教室にて、私が毎月第一月曜に担当している「知るほどおもしろギリシア神話」の次回の案内です。日時は、2019年8月5日(月)10:30~12:00です。オウィディウス『変身物語』にみえる「大洪水」の物語をご紹介します。人間たちの悪行に耐えかねた神々の王ユッピテルが、地上に大規模な洪水を引き起こすことで、人間たちを滅ぼしてしまうのです。オウィディウスは、類稀な文人的センスで、この大事件の経過を非常に鮮やかに描いており、これには誰もが感嘆するはずです。 「大洪水」といえば、(旧約聖書の)『創世記』に描かれる、いわゆる「ノアの箱舟」の物語が有名でしょう。また、メソポタミア神話の主要資料である『ギルガメシュ叙事詩』にも、仙人ウトナピシュティ...
2019.07.22 11:252019/7/29の「ギリシア神話の世界」神戸新聞文化センター三宮にて、私が月一で担当している「ギリシア神話の世界」の次回の案内です。日時は、2019年7月29日(月)10:30~12:00です(通常は第二月曜ですが、今月は第五月曜となっておりますので、ご注意ください)。プルータルコス『英雄伝』に描かれる、プーブリコラという男についてお話しします。この人物は、「ルクレーティア事件」(ローマ第七代の王タルクィニウス・スペルブスの息子が、ルクレーティアという女性に乱暴を働き、この女性を自殺に追いやった事件)がきっかけとなって成立した、ローマ共和政の最初期の偉人です。「プーブリコラ」というのは、「民衆の世話をする人」を意味し、彼が、民衆から高い人気を得ていたことを端的にあらわしている呼び名です。彼は...
2019.07.16 13:22ロンドンでの国際学会(その二:自分たちの研究発表)前回(2019.7.14)は、学会の概要について記したが、今回から、テーマ別に細かい話をさせてもらおうと思っている。シリーズ第二弾の本記事では、僕たち自身の研究発表について書きたい。 全部で87あるパネル(タイトルやアブストラクトは、下に載せた公式ウェブページで見ることが可能)は、運営サイドによって、5日・6日・7日・8日のうちの、午前の部(9:30~11:30)か午後の部(15:00~17:00)に割り振られ、僕たちのパネルは、6日の午後の部だった。終了後、パネルのメンバーでも話をしたのだが、出番は早すぎず遅すぎずで丁度良かったと思っている。たとえば、もし8日の午後の部(つまり最後)にでも割り振られたとしたら、緊張で学会を楽しむことなどできなかったと...
2019.07.15 13:102019/7/22の「ギリシア神話入門」朝日カルチャーセンター中之島教室にて、私が毎月第四月曜に担当している「ギリシア神話入門」の次回の案内です。日時は2019年7月22日(月)15:30~17:00です。ソポクレースの悲劇『アイアース』のご紹介をします。主人公のアイアースという男は、トロイアー戦争で活躍をつづけていたギリシア軍の勇士であるわけですが、死んだ仲間のアキッレウスの形見の武具が原因で、ギリシア軍全体と対立することになります。あろうことか味方によってプライドを傷つけられた彼は、自殺をすることにします。本劇はこの出来事を中心に構成されており、そこにはさまざまな人間関係(アイアースの家族と同僚が出てきます)をみてとることができます。 おまけで載せた下の絵は、二コラ・プッサンによる《フロ...
2019.07.14 14:50ロンドンでの国際学会(その一:全体の概要)今回は、「ロンドンでの国際学会」のシリーズ記事の第一弾ということで、僕が先日(7/4~7/8)参加してきた学会の概要を記すことにしたい(下に公式ウェブページのリンクを貼っておくので、こちらも合わせ参照されたい)。 主催は、ギリシア・ローマ学では世界最大の規模を誇る学会、Fédération internationale des associations d'études classiques(頭文字をとって、FIEC「フィエック」と呼ばれるのが普通)で、5年に一度、夏に研究集会を開いているのだが、今回はその第15回の集会だった。開催地は、集会ごとに変わり、今回はロンドン。ちなみに過去5回の開催地を記しておくと第10回(1994年):ラヴァル(カナダ)第...
2019.07.10 13:47ロンドンからの帰国このたび、7月の4日から8日にかけてロンドンで行われた、ギリシア・ローマ学の大規模な国際学会(詳しくは2019.6.25の記事を参照されたい)に参加してきたが、今日、無事に日本に帰ってきた。たいへん充実した時間を過ごすことができて、いま、とても晴れやかな気持ちだ。感想は山ほどあるので、明日以降、このブログで複数回に分けて記事にしていきたいと思っている。取り上げたいトピックの選定をしてみたところ、どうやら一週間分くらいにはなりそうなので、ご興味のある方々には、このシリーズを楽しんでいただけると幸いである。